皆様に安心してご利用いただける医院を目指して

今日もどこかの看護の現場で。

看護学研究科の卒業生達が活躍しています。

「新しい自分の発見、学ぶことの楽しさ」

小林友美さん 令和2年3月 修士課程修了

公益社団法人看護協会 ゆうき訪問看護ステーション 勤務 

私は、8年の病院勤務を経験し、訪問看護師になりました。病院とは違う環境の中で戸惑うことも多かったですが、訪問看護の魅力に取りつかれてあっという間に10年が過ぎていました。しかし、自分が行っている看護が本当に利用者さんやご家族に意味のあるものだったのか、自己満足の看護ではなかったのか、このままの看護でいいのか悩みながらも答えが出ないままでした。大学院で学ぶことで、答えが見いだせるのではないかと考え、職場の理解も得られたことで大学院への進学を決めました。

大学院では、長期履修制度を利用することで、仕事と両立しながら学ぶことができました。様々な背景や経験、年齢の違う同期や他分野の仲間との出逢いがあり、仲間と一緒に課題解決に向けてのディスカッションや講義を通して、凝り固まった自分の価値観に気が付くことができました。広い視野で物事を捉え、柔軟な考え方ができる様になったことで、今まで見えなかったことや隠れた問題に気が付くことができ、根拠に基づいた意図的な方略を導ける様になってきたことを実感しています。

2020年に在宅看護専門看護師を取得することができました。CNSとして一歩を踏み出したばかりなので、今後も日々学ぶことを忘れず、利用者さんやご家族が安心して住み慣れた地域で過ごすことが出来るように役割発揮していきたいと思っています。

「 学ぶことの意味 」

渡邊由香さん 令和元年9月修士課程修了

山梨県立大学看護学部 勤務

私は、自身のスキルアップのために大学院への進学を決意しました。同時に臨床を離れ、この山梨県立大学で教員として働き始めました。生活拠点を変えたことは大変ではありましたが、私の人生における転機となりました。

助産師は看護職の中でも専門性の高い職種であると言えます。だからこそ、より深く学ぶ責任があると思います。大学院では、広い視点から対象や事象を捉え、エビデンスに基づいた分析を行う重要性や丁寧に言葉をつむぐことの大切さを学びました。それにより、私はこれまでの経験を知識とすることができました。助産師として、対象をより良い方向へ導くためには、隠されている事象にも気づく力が必要であり、多角的な視点と正確な分析が重要となります。つまり大学院での学びこそが、母子や家族、女性を幸せにする力となるのだと感じました。また、学ぶことは、人としての成長にもつながります。これまでの自分の考え方を内省し、新たな考え方を学ぶことは自分自身を見つめ直す機会ともなりました。現在、お世話になった先生方と一緒に働いておりますが、毎日が貴重な学びとなっております。これからも自分を見つめ学んでいきたいと思っております。

「私の精神科看護のこれから」

志村聡子さん 平成31年3月 修士課程修了

公益財団法人山梨厚生会 山梨厚生病院 勤務

私が大学院へ進学を決めた時は、精神科病棟へ異動し10年以上が経過していました。精神科看護は「心」という目に見えないものを取り扱うため、特殊ですぐに結果が出ないという特徴があります。自分の看護においても「この対応でよいのだろうか」「患者にとってこの環境はどうだろうか」と疑問を感じていました。大学院では同じ分野の同期にも恵まれ、精神科看護について一緒に学び、語り合い、さまざまな理論やエビデンス、看護や技法を学び、これまでの自己の問いに対する答えを探す日々を送りました。働きながらの進学は辛かったですが、職場や家族の協力もありとても充実していました。

大学院を修了した後は、目の前で起きている現象と学んだ理論をつなげる作業を丁寧に行い、スタッフと一緒に思考していきました。看護実践開発研究センターの専門看護師資格取得支援事業に参加し、2020年に資格を取得することができました。

入院と薬物治療が中心の精神科医療にも、もっと看護の力でできることがあると実感し、看護師の力が最大限発揮できるよう、看護実践やスタッフ教育をしていきたいと思います。さらに一人の患者を地域生活者としてとらえ、その人らしい生活を当事者と一緒に描き、チームで支えられるよう多職種と連携していきたいと思い日々活動しています。

「実践の可視化を目指した大学院へのチャレンジ」

中島朋子さん 平成28年3月修士課程修了

東久留米白十字訪問看護ステーション 勤務 / 在宅看護専門看護師

私は、およそ7年の病棟勤務を経て1995年から訪問看護に携わってきました。近年の在宅医療や看護の普及はめざましいものがありますが、在宅医療の現場では訪問看護師の確保や育成・労働環境の整備、訪問看護のケアの質の向上や均一化、共生社会構築に向けた体制整備など、課題が山積しています。このような中、長年訪問看護に携わってきた者として、訪問看護を次の世代の看護師にしっかり繋げること、訪問看護の質向上、「最期まで家で生活することが可能なんだ」を一般市民に知ってもらうための普及活動、訪問看護師が現場で頑張って実践していることを可視化し、施策へ現場の声を発信したい・・等の野望を抱き、大学院への進学を決めました。しかし、多くの仕事を抱えながらの進学は、なかなか決心がつかず迷いましたが、在宅看護学の佐藤教授をはじめとする諸先生方の熱意や厳しさの中にある温かさに触れ、進学の決心と修了するという覚悟を決めることができました。

大学院では他分野の理論を学ぶことができ、現場での看護実践や訪問看護師育成、多職種連携の中での倫理調整や調整・教育等に活用することができています。特に人材育成においては、現場で起きている現象と理論を繋げる帰納的アプローチが多いに生かされていると感じています。

現在は、2016年に在宅看護専門看護師を取得し、現場での仕事の他に、複数の看護系大学で学部生や大学院生への講義や実習指導、多職種研修の講義、原稿執筆、訪問看護職能団体や研究事業・行政等における各種委員なども努めさせて頂いています。

「学びからはじまる新しい日々」

大島千佳さん 平成26年3月修士課程修了

松本市立病院 勤務 / 認定看護管理者

私は、2010年度に科目履修制度を活用し、2011年度に大学院看護学研究科へ入学しました。働きながらの進学だったため、3年間の長期履修制度を活用しました。職場の上司や職員の理解と応援を得ながら、足かけ4年の歳月をかけ卒業し、2015年に認定看護管理者を取得することができました。

甲府駅からバスに乗り、県立中央病院からは池田キャンパスまで徒歩で移動し、荒川に架かる橋から眺める富士山の美しさに励まされながら大学院へ通ったことが思い出されます。

現在は199床の松本市立病院で副看護部長の役割を担っています。高齢化社会となり、医療も複雑化・煩雑化している中、病院経営も困難を要しています。そんな中でも看護職員のあるべき姿、目指す看護ができる環境を保ちたいと日々育成に携わっております。地域包括ケアシステムの中で病院の役割発揮ができるように、病院全体で考える機会も増えてきました。中でも、看護職の役割はとても重要であると感じ、より地域に根差した組織でありたいと思っています。

大学院では同期生や指導教授の支えがあって頑張れました。今でも、かけがえのない存在として交流させていただいています。これからも、看護管理の難しさを感じながら、日々学び続けたいと思います。

「自分らしい看護を求めて」

渡邊泰子さん 平成24年9月修士課程修了

国民健康保険富士吉田市立病院 勤務 / 急性・重症患者看護専門看護師

私が大学院進学を目指したきっかけは、看護師として20年に及ぶ臨床経験を積んできたにも関わらず、重症患者さんへの回復促進や救命後の心身の機能障害に苦悩する患者さんへの看護において自己のケアに確信が得られず、限界を感じざるを得ない状況を経験したことでした。その克服のため、さまざまな研修に参加してみましたが、確信につなげていくための自己の課題も明確にできませんでした。そこで、環境を変え、自らの思考を見つめなおし知ることで何かが変わるかもしれないと思い、進学を決意しました。

大学院では、諸先生方、同期の仲間、様々な方々と出逢い、新しい見方や考え方、捉え方を導いて頂きました。そして、物事の本質を見極める力や調整力、コミュニケーション力の向上、組織を多角的に捉えること、チーム力向上のための様々な価値信念の共有や相互尊重に向けた調整など、看護をより良くしていくための大切にすべきことについて、たくさん気づきを頂きました。

私にとって大学院での3年間は、多くの方々からの温かいご支援があってこそ成し得られたものであり、自分らしく看護の仕事を続けていく為の人生の転機であり、かけがえのない日々となっています。