<専門分野の紹介>
急性期看護学では、周術期や生命危機期にある患者とその家族に対し、身体侵襲度や重症度の的確な判断とともに苦痛緩和、生命の維持・回復及び生活の質(QOL)の向上のための高度な専門知識と臨床看護実践力を学修します。加えて、クリティカルな状況にある患者とその家族の尊厳を重視し、最善の看護を提供するためのケアリングを追求しています。
<研究室紹介>
急性期看護学は、遠藤みどり教授、渡辺かづみ准教授、井川由貴准教授、山本奈央講師の4名体制で指導にあたっています。今までに、14名が修了し、12名がCNSの資格を取得し(うち、更新認定者5名)ているため、本研究室では、在校生と修了生とのネットワークを大切にして、修了生・在校生合同の事例検討会を定期的に開催しながら共に学びを深めていることが強みになっています。
<在校生の状況>
現在7名の大学院生が在籍しています。学業に専従している学生や就業しながら学業を両立させている学生がいるため、学生個々の履修計画に合わせて昼間や夜間の時間調整を行いながらクラスを開講しています。在院生は高度救急救命センター、集中治療室などでの臨床経験を有し、日々臨床現場で奮闘していますが、大学院のクラスでは、現場で起きている事象の意味やクリティカルケアの本質追求とともに専門看護師の役割について知見を深めることで、現場での看護を再構築し、課題の発見とともに学ぶことの大切さを実感しています。
<修了生の活躍状況>
修了生の多くは、大学院に入学した時点は20歳代後半から30歳代前半で病棟または看護部に所属し、スタッフ看護師として専門看護師の役割を遂行していましたが、現在、多くの修了生は看護師長や副看護師長を兼ねながらCNSの活動をしている状況にあります。活動範囲も各所属部署から病院内外に亘る組織横断的な活動へと拡大し多方面で活躍しています。修了生の勤務地は、山梨県、東京都、埼玉県、静岡県、長野県、秋田県、宮城県、福島県になっており、本研究室で開催する合同会議や学会で顔を合わせて、課題検討や食事会などで交流を深めています。
日本クリティカルケア看護学会や日本救急看護学会での発表、看護質的統合法(KJ法)での指導者研修終了後のショット
<業績一覧>
- 1)仲田隆子,遠藤みどり,渡辺かづみ:ICU看護師の深部静脈血栓症予防におけるアセスメントと実践の実態,第5回日本クリティカルケア看護学会誌,5:1,p.85,2009.
- 2)牛山佳菜,遠藤みどり,渡辺かづみ:重症患者の栄養管理に対するICU看護師の認識,第6回日本クリティカルケア看護学会,142,2010.
- 3)梶原絢子,遠藤みどり,渡辺かづみ:肺切除術を受けた患者の術後疼痛体験,第7回日本クリティカルケア看護学会,7:2,177,2011.
- 4)神浦淑恵,遠藤みどり,渡辺かづみ:開頭術を受けたクモ膜下出血患者の疼痛緩和に対する看護師の認識,第9回日本クリティカルケア看護学会学術集会抄録集,9:2,p.106,2013.
- 5)中村祥英,遠藤みどり,渡辺かづみ:人工呼吸器を装着している患者の鎮静管理に関するICU看護師の認識,第9回日本クリティカルケア看護学会学術集会抄録集,9:2,p.107,2013.
- 6)山本真基子,遠藤みどり,渡辺かづみ:救急搬送され入院した患者の家族の体験-病院内で待機している間に焦点をあてて-,第9回日本クリティカルケア看護学会学術集会抄録集,9:2,p.109,2013.
- 7)渡邊泰子,遠藤みどり,渡辺かづみ:胸部食道切除術を受けた患者の術後疼痛体験,第10回日本クリティカルケア看護学会学術集会抄録集,10:2,p.186,2014.
- 8) 桑折和代,遠藤みどり,渡辺かづみ:僧帽弁置換術を受けた患者に対するICU看護師の離床開始の判断, 第13回日本クリティカルケア看護学会、2017.
- 9) 工藤光生,遠藤みどり,渡辺かづみ: ICU看護師の人工呼吸器装着患者への看護実践における倫理観, 第13回日本クリティカルケア看護学会、2017.
- 10) 山崎友香子,遠藤みどり,渡辺かづみ: 救命救急センタ-看護師の高齢入院患者へのせん妄ケア, 第19回日本救急看護学会,2017.
- 11) 上川智彦,遠藤みどり,渡辺かづみ: 救命救急センタ-に入院した経過観察中の外傷患者の苦痛緩和, 第19回日本救急看護学会,2017.
- 12) 脇本隆文,遠藤みどり: 救命救急センタ-における心筋梗塞患者の胸痛に対する苦痛緩和についての熟練看護師の認識, 第19回日本救急看護学会,2017.
- 13) 荒木隆志,遠藤みどり,渡辺かづみ: ICU看護師がARDS患者に実践する体位管理の判断, 第14回日本クリティカルケア看護学会,2018.
- 14) 梶原絢子,遠藤みどり, 渡辺かづみ: 肺切除を受けた患者の術後疼痛体験, 山梨県立大学看護学部・看護学研究科研究ジャ-ナル,4(1) ,p11~24,2018.